第二章で自分のバイクの買取相場が分かり、査定に呼ぶ業者も決まりました。
今回の第三章では、査定で最も重要な交渉の仕方について学んでいきます。
バイクを高く売る為に
最も重要な要素満載です!
バイク屋での買取の知識や経験を
フルに活かしてまとめました
このページを最後までしっかり読んでもらえれば、査定当日の交渉が上手くいきやすくなります。
逆に何も読まないまま査定すると、損する可能性があります。
査定士が突かれると困るポイントも数多く含まれているので、是非予備知識を身につけて査定に臨んで頂ければと思います。
査定士と話すべき事は全部で8項目!
第一章 バイクの正しい売り方講座、準備編
第二章 買取相場の把握とオススメの売却先
第三章 交渉で絶対に抑えておきたい8項目←今ココ
第四章 3社競合させてバイクを高く売る
目次
第三章 査定中の交渉で絶対に抑えておきたい8項目
①査定士が査定で見るポイントはどこ?

査定士が見ているのはバイクだけではない!売り主の事も見ています!
- バイクの状態
- バイクの売り主の事
この2点が査定で見るポイントです
まずはバイクを見るポイントについてまとめていきます。
【バイクの査定表】査定中のチェックポイント
査定士は短時間にバイクの状態をくまなくチェックしていきます。
主にチェックしていくポイントをまとめたいと思います。
事故歴の有無 | 外装状態、傷、凹み、サビ、色あせ |
メーター交換歴、走行距離の信憑性 | フレームの傷、損傷or足回りの歪み |
エンジンの始動性、異音の有無 | タンク内のサビ |
ギアはスムーズにシフト変更できるか | クラッチ板の摩耗の有無 |
エアフィルターの状態 | スパークプラグの状態 |
バッテリーの状態 | 灯火類、センサー、警告灯の異常 |
クランキングはするか | ステム、ホイールベアリングの摩耗 |
タイヤの残り山、銘柄、クラックの状況 | バイアスorラジアル、タイヤサイズは適正か |
ハブダンパーの摩耗 | バイクのカスタム、合法かの確認 |
サスペンションのオイル漏れ、抜け | 純正部品の有無 |
ドライブチェーン、スプロケットの摩耗 | シート破れ、あんこ抜きの有無 |
ワイヤー、ハーネス類の取り回し | 車体番号の打刻 |
再販売先がどこになるか | カギの本数、スペアキーの有無 |
車検証、自賠責証等の書類 | 車検残の確認 |
- バイクの車種や年式
- 外装状態、カスタム状況
- 走行距離、メーター交換有無
これだけ分かればある程度金額を出せます。

査定でどこを見るかは各社それぞれなので、買取業者やバイク屋によって基準は異なります。
査定での外観チェックは、
早い業者で5~10分ぐらい
一般的には15~20分ぐらい
でしょう。
査定士はバイクだけでなくバイクの売り主をよく見ています
バイクの事ばかりに目が行きがちですが、査定士はバイクを売ろうとしている人間を良く見ています。
査定士のヒアリングポイント
- どこのお店で買ったバイクか
- 何年ぐらい乗ったのか
- 任意保険はどこで加入しているのか
- バイクを買ってからのカスタム
- 純正部品は残っていないのか?
- 普段のメンテナンスについて
- 他の業者やバイク屋で査定したか
- これから他のバイク屋や買取業者に査定を出すか
- 今までのバイク遍歴
- 事故の有無
- 乗り換えを検討しているかどうか
- 本気でバイクを売る気があるのか
- 他にもバイクを所有しているのか
- 希望金額はいくらか
- なぜその希望金額なのか
- バイクを売る理由は何か
- 個人売買を検討していないか
- 他の競合先の事
- 希望金額に関する価値観
- バイクを本気で売るつもりなのか

②【重要】これで高額査定狙える!?査定中に必ず伝えておきたい2つのこと

査定を申し込むと査定士が自宅に来て査定が始まります。
何を話したら良いのか分からない
という方もいると思います。
そのような状態でも大丈夫です。
査定時に伝えるべき2つのこと
さえ伝えて貰えれば査定金額も良くなりますし、査定自体もスムーズに進みます。
本当に?
と思う方もいますが事実です。
では、その2つとは何かまとめていきます。
- バイクを売る意志があることをしっかりと伝える事
- A社とB社を査定に呼ぶ予定だと競合先を明かす事
この2つをしっかりと伝えておくかどうかで査定額は大きく変わります。
出来れば査定が始まって早い段階で伝えておきましょう。
もちろん、理由があります。
バイクを売る意志があることを伝える理由
バイクを売る意志があるんです!
ときちんと査定士に伝えることで査定額は伸びやすいです。
理由としては売る気がある方が査定士もその上司も頑張ろうとします。
買取業者もバイクを買取することが仕事です。
売る意思をはっきり見せてくれたほうが頑張れるんですよね。
売る意志をしっかり見せる事で、頑張れば買取出来そうだと査定士に感じて貰う事が重要ですね。
A社とB社を査定に呼ぶ予定だと競合先を明かす理由
なぜなら、査定士も競合先がはっきり分かった以上査定士も頑張りやすくなりますし、
上司との交渉でも、競合先がはっきり分かった方が上手く交渉出来ます。
ライバル社に勝つ=最大の宣伝効果
です。
競合先をはっきりと告げることで断る場合の理由にも出来る
競合先を伝えておくことで断る時の理由にも使えます。
というのも、
次にB社に査定に出す予定です
と言われれば、そこから粘ることが難しくなります。
次に控えているB社の金額が分からない限り、比べようがないですからね。
この状況は、先に査定に来た査定士はやりにくいです。
そういう場合は、ライバル社の金額は分からないながらも、誠意を見せて頑張って粘るしかなくなります。
2~3社競合するなら
断らないといけない状況が出るので
この断り方は有効です
競合先を明かすことはメリットがたくさん
次の競合先をしっかり明かすことで、
高い査定額を
引き出すコツにもなりますし
査定を断る理由にもなります
査定中に伝えておきたい2つのこと
- バイクを売る意志があることをしっかりと伝える事
- A社とB社を査定に呼ぶ予定だと競合先を明かす事

③その伝え方は損?上手な希望金額の伝え方

バイクを査定するに当たって査定士から
ご希望はいくらぐらいですか?
と聞かれることがあります。
これはショップの店頭での査定でも、出張査定でも同じです。
聞かれて答えに困ってしまう方もいると思います。
下手に答えたら足元見られてしまうのではないかと・・。
元バイク屋のこたろーから言うと、希望金額が低いと、足元見られやすいです。
また、答えるときの答え方もよく見ていました。
今回は希望金額を聞かれた際の上手い答え方をまとめていきます。
なぜ希望金額を聞くのか
査定士からすると、バイクを売ろうとしている方の希望金額は、
最も知りたい情報の1つです
希望金額に付随して知りたい情報は、具体的には以下の通りです。
- バイクを売り主の希望金額
- 希望金額の理由
- バイクに対する相場観
場合によってはクレームに発展します。
大体バイクを売ろうとしている側の希望金額が実際の買取相場より高いです。
希望金額>買取相場
僕の査定士としての経験上、9割ぐらいの確率でこの式が成り立ってしまいます。
そのために買取金額を抑える必要が出てきてしまいます。
どれぐらい妥協してくれそうなのかを
把握するためですね
希望金額の理由や相場観も査定士の知りたい情報です。
なぜその希望金額なのか、なぜその相場観なのかですね。
大体以下の事をヒアリングします。
- ネットで調べたのか
- どこかで査定した金額をベースにしているのか、競合しているのか
- 買った時の値段から逆算しているのか
- ただなんとなくなのか
- 他で使う予定のお金があってその分の代金なのか
査定士側からすると、この辺りの情報が分かると査定を進めやすくなるし、上司との交渉もしやすくなります。
ですので、
希望金額はかなりの確率で聞かれます
希望金額を聞かれた時の答え方
希望金額を聞かれた場合の対処法をまとめていきます。
最低希望金額は答えなくて良い
希望金額とは、バイクを売り主がどれぐらいの金額を希望しているかです。
大きく分けて2パターンの希望金額があります。
- あわよくばこの金額付いたら嬉しいという、本当の意味での希望金額
- 最低限これぐらいは欲しいの最低希望金額
この2つの中で、
伝えてはいけないのは
最低希望金額です
これを伝えてしまうと、査定士の査定の基準がそこになってしまいます。
良くても最低希望金額にしかならないという事になってしまいます。
最低でも10万と言ってしまうと査定士から見れば、
この人は10万付けば売ってくれるな!
と判断します。
もし答えるなら、
本当の意味での希望金額のみ
伝えましょう
具体的な金額で希望金額を伝えるメリット
- 具体的な金額を伝えると、査定士やその上司との交渉をしやすくなる
- 相場が分かるお客様と認識され、買い叩かれにくくなる
希望金額を伝え方についてでした。

④最初の価格はガッカリ査定。そこから高額査定の勝ち取り方

例で出してみましたが、バイクの買取業者の査定ではこのようなことがよく行われています。
ってやつですね。
残念ながらこれはバイク業界では当たり前のように行われています。
今回は買取業者の最初の査定金額についてお伝えしていきます。
最初の査定額は安い
電話で伝えている金額と全然違います。
ショックを受けてしまうことがあると思いますが、バイクの出張査定の世界ではよくあります。
出張査定の世界では査定後に一番最初に伝えられる金額は非常に安い事が多いです。
これはどの買取業者も程度の差はあれど共通です。
電話やメールで問い合わせた際、伝えられる相場や仮査定の金額はとても高いです。
業界用語でルアープライスと言いますが、その金額が高いが故、最初の査定額がより際だって安く感じられます。
※ルアープライスとは、バイク業界の業界用語です。
お客様に査定を申し込ませるために、わざと高めの相場金額を伝える手法です。
そこで弱気になったら査定士の思うつぼ
安い査定額を提示したら誰だってビックリします。
金額を聞いてお客様が感じる事は色々あるでしょう。
自分のバイクってそんなに程度が悪かったかなぁ
うわー、距離も走っててタチゴケもしているから査定が安いのか…。ショック…
まぁ、自分が過度に期待していただけで、こんなものなのかなぁ…
こういった感情を表に出すのが
一番ダメです!
なぜなら、
その様子を査定士はよく見ているから
最初の提示額は反応を見るため
査定士や買取業者の仕事は”バイクを買取する事”ですが、出来る事なら”安く買取したい”と考えています。
その為に、
お客様の本心を探るため
あえて安い金額
を提示します。
ここで納得するのか、ショックを受けるのか、怒り出すのかで次の手を変えるんですね。
汚いやり方に感じる方もいますが、程度の差はあれ出張買取世界ではよくあることです。
査定士はバイクも良く見ていますが、それ以上にバイクの売り主の反応をよく見ています。
金額交渉は強気に行きましょう
最初に安い金額を提示されても弱気にならずに、強気に行きましょう。
そこからようやく交渉スタートです。
査定士も買取りする事が仕事です。
そこから、バイクの売り主に納得してもらえるような金額になるよう、交渉を進めていく流れになります。
いたとしても、それはやる気の無い査定士です。
もし本当に帰ってしまうようであればそのまま帰って貰って構いません。
どのみちその査定士から高額査定を引っ張るのは難しいです。
やる気の無い査定士は時々います。
やる気ない査定士が来たら、高額査定は出にくいので諦めて次の業者に期待しましょう。
以上が、最初の提示金額は安いことについてのまとめです。

⑤査定士を味方につけて高額査定を引き出そう!

査定士を味方につけるメリット
査定士にいい印象を持たせた方が
絶対に得です
バイクを売るなら
高く売りたいですよね?
高く売るには査定士を味方に付けるかどうかが高額査定の肝となってきます。
とはいっても査定士と何を話せばいいのか。
こういう方は、査定で損します
査定士だって人間です。人間扱いして下さい
- 喧嘩腰の方
- 言う事がコロコロ変わる方
喧嘩腰の人
喧嘩腰の方は、こたろーが査定している時も時々遭遇しました。
最初から喧嘩腰の方
結論から言うと、喧嘩腰の方とは上手く交渉出来ないです。
どのような態度で査定士と接するのは自由ですが、高圧的で喧嘩腰でいても意味がありません。
警戒されて終わりです。
言うことがコロコロ変わる。何をしたいのか分からない方
- 言う事がコロコロ変わる
- 発言に一貫性がない
- 何をしたいのか分からない
こう言う方は対応に困ります。
はっきり言うと。「売る気が無さそう」に見えるんですよね。
実際にあった例で、「15万円ついたら売る!」と言っていたのに5分後にはやっぱり売らないと言い出したり…。
こういう方とは交渉出来ないですよね。
売る気をしっかり見せて、査定士とは信頼関係を築いておきたい所です。

⑥遠慮は必要無い!金額交渉は何度でもしよう。

*******5分後*******
*****************
こたろーの友人たくみ君が
バイクランドの査定士と交渉しているシーンの抜粋です。

遠慮してしまう気持ち
交渉は査定士に対して行うというより、査定士を通して会社(上司)と交渉するような感じになります。
査定士は自分と会社(上司)の間に立つ役回りとなります。
そして交渉は一回では終わらないことが多いので、何往復もやる必要が出てきます。
バイクの売り主
↓ ↑
査定士
↓ ↑
上司(会社)
このやり取りって確かにめんどくさいのですが、査定士はそこを狙っています
交渉に回数制限はありません、何度でも交渉しよう
僕がバイク屋で働いていた時だと、一番多いときで10回を超えていました。
- 買取業者が帰ろうとする一歩手前まで
- 同じ答えしか返って来なくなるまで
もし、本気で踏み込んで粘るなら上記の処ぐらいまで粘ってOKです。
言いたいこと、伝えたいことははっきりと伝えて交渉しましょう
査定結果で納得出来てないこと(大体は金額だと思いますが)があれば、どんどん交渉するべきです。
- パーツはプラス査定になるのか
- 自賠責保険の返金を受け取れるのか
上記の事も交渉材料になります。
買取業者側も交渉ありきでいますので、言いたいこと、伝えたいことがあればどんどん言うべきです。

⑦2社目以降の査定結果の伝え方

複数の業者で競合した場合、2社目以降の査定で、過去の査定結果を聞かれることがあります。
素直に答えるべきか、あえて答えないべきか悩むところではあります。
ここでは1社目の査定金額より盛って答えることをオススメしています。
金額を盛って答えるのがベスト
仮に連絡が入っても個人情報を理由に答えなかったり、正確な金額を言うとも限らないです。
僕がバイク屋で働いていた時も、他社から確認が入ることはなかったです。
逆にこちらから確認の電話を入れる事も無かったですね。
盛った金額を見破られることもあるのか?
金額を盛って伝えると
査定士にバレないだろうか?
と思う方多いと思います。
査定金額にもよりますが、5~10%ぐらいは盛っても分からないです。
金額が小さい場合(20万以下ぐらい)はもっと盛っても良いかもしれません。
1社目の査定金額は盛って答えると良い
1社目の査定額より盛った金額を伝える事で、少ないリスクでより高くバイクを売れるようになります。

⑧バイクの出張査定の断り方!断るのが苦手な方でも大丈夫!

自分のバイクの査定が終わって金額が出ました。
でも今回の査定は1社目です。
まだもう1社査定を呼ぶつもりです。
となると、目の前の査定をしてくれた買取業者は断らなければいけません。
断るのって勇気がいりますよね。
査定は15~20分、交渉まで含めると1時間ぐらい掛かることが多いと思います。
査定の時にバイクを褒めて貰ったり、たわいも無い話で盛り上がったりすると思います。
査定士と会話する事で、少なくとも初めて会った瞬間よりかは仲良くなっていると思います。
でも、バイクを高く売る為には競合させないといけない。
目の前の買取業者は断らなければいけません。
査定後に断るのが苦手という方が多いと思います。
きちんとした断り方を知っておかないと断り切れなくなってしまいます
買取業者もバイクを買い取るのが仕事なので、軽く断った程度では簡単に引き下がりません。
出張査定の上手な断り方2点
今回は査定を断る場合の言い回し2点をまとめていきます。
特に複数社(2~3社)査定を出すとなるとどうしても1社目、2社目を断る必要が出てきます。
そんな時に使えます。
- 値段次第ですね
- 次のB社の結果次第ですね
「値段次第ですね。」の使用例
今回の例は「査定金額は・・・もう少しで出そうなんですけど」ですが、これは最低希望金額に探りを入れるケースです。
この後に「最低いくらぐらいなら売ってくれそうですか?」と聞いてくることが多いです。
査定士側の情報を後回しにしてお客様側の出方を伺っているやり方ですね。
こういった言質を先に取ろうとしたり、結論を先延ばしにするような事をしてくるなら、「値段次第ですね」の一言で、逆にバイクの売り主が主導権を握りやすくなります。
「次のB社の結果次第ですね。」の使用例
査定士も今日その場で決めようとするので2社目以降の査定を潰しに来ます。
2社目以降の潰し方は色々あるのですが、基本的には他社の査定は安くて、自社は査定が高いとアピールしてきます。
話だけ聞いてあげてそのままお帰り頂きましょう。
この時有効なのは「2社目以降の査定がまだなので決められない」ということを伝えれば断りやすくなります。
2~3社競合させようとするとどうしても断らないといけない業者が出てきます。
- 値段次第ですね
- 次のB社の結果次第ですね
この2つをうまく使って貰えれば断りやすくなります。

第三章 査定中の交渉で絶対に抑えておきたい8項目 まとめ

第一章 バイクの正しい売り方講座、準備編
第二章 買取相場の把握とオススメの売却先
第三章 交渉で絶対に抑えておきたい8項目
第四章 3社競合させてバイクを高く売る←次ココ
・・・と言ったら
「何を大袈裟な・・」
と思う方もいるかもしれません。
けど、これは紛れもない事実です。
僕は正しい売り方を知らず、
学生時代に3台売却して
15万円以上損してきました。
15万あればマフラーを買うことも出来たでしょう。
本当に大きな後悔です。
正しい売り方を知らなかった代償です。
その後バイク屋に就職して、
査定士として査定に携わることで
正しいバイクの売り方を覚えました。
バイクを高く売れれば、
欲しいパーツを買えます。
マフラーを変えたり、
ヘルメットを新調したり出来ます。
バイクを高く売るためには
正しい売り方を知ることが不可欠です。
逆に正しい売り方を知らないと
昔のこたろーのように大きく損します。
学生時代に3台買い叩かれて
15万以上損しながらも
査定士としての経験を経て
今では査定交渉の秘訣をお伝え
出来るようにまでなった過程は以下からどうぞ。

